100分de名著テキスト「維摩経(釈徹宗さん)」読書感想文|本放送・再放送前の予習をしました

御参拝、誠に有難う御座います。住職(管理人)の修羅観音です。



NHK・Eテレで放送される「100分de名著」の、2017年6月の回は、「維摩経(ゆいまぎょう)」であり、釈徹宗さんが解説して下さいます。

100分de名著と言えば、私は釈徹宗さんが指南役として番組に出演されていた「歎異抄」で、御縁が御座いましてね。

そして、再びの御縁となるのも、仏教の名著であり、しかも釈徹宗さんが指南役であるというのは、何とも有り難き仏縁であると、頂いております。



今回は、2017年6月から4回にわたって放送される「100分de名著:維摩経」ですが、この「維摩経(ゆいまぎょう)」も、以前に釈徹宗さんの本で学ばせて頂いております。

100分de名著が、釈徹宗さんの解説による維摩経とあっては、テキストを購入して番組も全て観て学びたくなる、そういう直観が働きましたものに御座います。



そういうわけで、本放送と再放送が始まる前に、テキストを先に購入してから、予習して「100分de名著」に臨む事と致しました。

今回は、「100分de名著:維摩経」のテキストを用いた予習と、読書感想文です。



今回の話が、「100分de名著」とテキスト、そして、あなたと仏教との御縁、仏縁結ばれるに至りましたら、嬉しゅう御座います。

また、歴史に興味がある人にとっても、日本仏教の成り立ちにも関わる名著ですから、教養にもなりましょう。

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100分de名著2017年6月分をテキスト読んで予習:維摩経の大まかな内容

「100分de名著」では、本放送・再放送にて、その内容を解説して頂けます。

「100分de名著:歎異抄」の時には、釈徹宗さんが100分で歎異抄の肝要な部分を、見事に解説して下さいました。

それゆえに、今回の「維摩経」も、非常に楽しみにしております。



あ、「楽しみにしている」というのは、未来に執着している煩悩でしょうかね。

こういった揺さぶりであったり、自己の再点検は、「維摩経」でもたびたび出てくる事柄に御座います。



「100分de名著」では、釈徹宗さんのわかりやすい解説と共に、上手に編集されて、要の部分を解説しては下さいます。

その上で、より名著を味わい、学ぶために、折角前もってテキストが販売されているのですから、私と共に大まかな内容を予習しておきましょう。

「維摩経」とはどんな名著?

「維摩経」とは、「維摩(ゆいま)」という在家の仏教者を中心として書かれているものです。

「維摩居士(ゆいまこじ)」という名前、聞いた事ありませんかね。



般若心経は知っているけれど、維摩経は知らない、という人もいるだろうなあ、というくらいの知名度である、という印象を持っております。



「維摩経」の内容は、維摩という在家仏教者が病になったということで、序盤で誰がお見舞いに行くかというところで、仏陀(釈尊)と菩薩や弟子の間でやり取りがあります。

仏陀の弟子と菩薩は、以前に維摩さんに論破された経験があり、皆さん渋っていたところに、仕方なしでしょう、文殊菩薩が名乗りを上げて、維摩さんのところへ向かわれます。



そして、お見舞いを断った他の菩薩と弟子は、「文殊菩薩と維摩さんの問答が観られるぞ。」と、ぞろぞろと着いていくのが、なんとも微笑ましいところです。

まさに、「電光石火の手の平返し」と、突っ込みを入れたくなりますが、現代の娑婆世界でも、こういうことってありますわな。

自分に仕事が振られたら断っておきながら、いざ他の人に決まったら、進行具合や事の顛末を観たがる野次馬根性的なところ、心当たり御座いませんかね。



こうした経緯で、文殊菩薩が維摩さんのところへ到着しますと、最初の挨拶から禅問答的な展開に。

その後、仏教が説く「空」「慈悲」について学べるやり取りがあったり、宗教的揺さぶり・仏教的な揺さぶりや振幅が観られる、文殊菩薩と維摩さんのやり取りが続いて行きます。



この辺り、読み進めていく内に、なかなか着地させてくれないような、なんとも言えない気分になるかもしれません。

私はここに、仏教の醍醐味と言いますか、仏教の面白さを感じるのですがね。



そして、ラストには有名な言葉「維摩の沈黙、雷の如し」というクライマックスシーンと、維摩さんの正体について証される話へと続きます。



これが、維摩経の大まかな内容です。



「維摩経」は、在家者・在家仏教者であったり、在家としての行き方も学べる味わいがあると共に、物語としても面白い名著です。

天女が登場する辺りは、なんだかジャータカ(ブッダ・釈尊の前世物語)的な雰囲気も、何となく味わったもので御座います。



また、仏教と言いますと、仏陀(ブッダ・釈尊)や、如来が中心的に書かれているものが目立ちますが、「維摩経」では、脇役とまでは言わないまでも、仏陀と弟子達や、文殊菩薩以外は脇役的な登場の仕方をします。

この辺りも、「なんかいつもと違うぞ?」という面白さがあるなあ、と私は味わっております。



「プログラミングするフリースタイルな在家仏教者」を名乗っている通り、私が在家仏教者・念仏者としての自覚があるから、その辺りに共鳴・共振する何かがあるのやもしれません。

維摩経と私の御縁:釈徹宗さんの本で知りました

「維摩経」を、読んだ事がある人、少しでも触れた事がある人は、どれくらいいらっしゃるでしょうか。



歴史が好きな人でしたら、聖徳太子・厩戸皇子の単元で、「維摩経」が出て来ますから、その関連で知ってはいると言う人も、いらっしゃるかと存じます。



私と「維摩経」との出会いは、釈徹宗さんの「なりきる、すてる、ととのえる」という本です。

この「なりきる、すてる、ととのえる」については後ほど、より理解と味わいが深まると思われる本と共に、紹介致します。
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100分de名著をテキスト「維摩経」の読書感想文本編

100分de名著のテキスト「維摩経」を読了し、その読書感想文と致しまして。



私の場合は、以前に内容がよく似ている、釈徹宗さんの「なりきる、すてる、ととのえる」を読んでいたために、ある種復習的な読み方になりました。

同じ著書による解説であったというのも、理解を助けてくれた事の要因でありましょう。



感想としましては、流石と申しますか、仏教を、仏教の本をわかりやすく解説して下さる事に定評のあるお坊さんで大学教授であるなあ、という印象を、改めて頂けた事に御座います。



維摩経は十四章で構成されている書であり、一章一章について、要点をしっかりと解説して下さいながらも、釈徹宗さんの考えや、現代社会ではどう活かされるか、等についても述べられています。

仏教にあまり触れてこなかった、現時点で馴染みが薄い人にとっても、読みやすい形で書かれているのが、非常に有り難し。



また、釈徹宗さんはこのテキストで「維摩経」について、現代社会を生きる智慧とするのは、どのように読むのか、という事のヒントとなる話も、盛り込んで下さっています。

仏教・仏法は、昔の事であって現代人には関係無い、という考えであったり、そういった印象をお持ちの方も、少なくないかと存じます。

私は、自身が苦悩・苦から仏道を歩み始めた、仏教・仏法と再会したという経験から、「仏教は生きる智慧・忍度を活ききる智慧」と、頂いておるのですがね。

「100分de名著:歎異抄」でも感じた解説の上手さは、この現代でどのように活かしていくかという事を盛り込んで下さるところにある、というのも御座いましょう。



その他、テキストの前半部分では、仏教の基本的な教義や成り立ち、ブッダの一生から維摩経に至るまでの話も、解説されています。

この辺り、仏教の成り立ちであったり、上座部仏教から大乗仏教、そして日本仏教への事も、大まかな道筋を学ぶ事も出来る構成に仕上がっております。

仏教史を勉強している人にとっては、前半部分は仏教史の予習復習に使えるかと存じます。



釈徹宗さんの「100分de名著:維摩経」の読書感想文のまとめとしましては、「読みやすく、それでいて濃密な維摩経解説書」といったところです。



私としましては、維摩経自体が名著であると共に、この解説本も、私にとって名著である、という位置づけであり、お味わいに御座います。

今の時代に活きる大切な事柄を学べる名著「維摩経」と釈徹宗さんの解説

今回、「100分de名著:維摩経」のテキストを使って、予習をしてきました。



読み物としても、仏教・仏法を学ぶ書としても名著であるというお味わいを頂いております「維摩経」ですが、この100分de名著:維摩経」では、最後の辺りに、特に私が大切であると思う事が書かれております。



それは、釈徹宗さんが伝えて下さる「現代人が「維摩経」を読む意味」です。



維摩経に限らず、仏教の経典や仏教書、仏法に対して、あなたはどのような印象を持たれているでしょうか。

仏教・仏法は、なんだか古くさくて、昔の人にしか関係が無く、現代社会では通用しなさそう、だとか、「葬式の事」というイメージ・連想しかないと言う人も、いらっしゃるかと存じます。



それはそれで、また別の仏教界の課題としてはあるでしょうが、これも上で申し上げた通り私は「仏教・仏法は娑婆世界を生き抜く智慧」と、頂いております。



こと「維摩経」においては、例えば「自分はこういう者である」だとか、「こういう生き方をすべきであるはずだ。」「こうあるべきだ。」という、「はずだ論」「べき論」で凝り固まった枠組みを、解体する力があります。

「べきだ論」「はずだ論」に執着し、そこに陥った時の怖さやヤバさ、不味さについては、魚川祐司さんの「だから仏教は面白い!」等でも、警鐘を鳴らして下さっています。



参照記事:「「だから仏教は面白い!(魚川祐司さん著)」は面白い。」

参照記事2:「「仏教思想のゼロポイント」は「だから仏教は面白い!」とセットで読むべし」



現代社会は、どうしても白黒はっきりさせたがる風潮があり、それによって、自己の在り方も固定化されて、そこに執着してしまう、という事に繋がりやすい傾向が御座います。

そうすると、「この固定化された在り方以外は認めない」と、他者容認・寛容さを失っていく事にも繋がりかねません。

そういう「固定化されることによる不具合や不味さ」に陥らないための「構造固定化からの脱却」「構造の解体と再構築」を施してくれる智慧が、「維摩経」にあります。



そもそもとして、仏教それ自体に、脱構造・再構築の装置が備わっております。



それゆえに、なかなか着地できない、結論をなかなか出せないゆえのむずがゆさであったり、深みにはまりすぎた際の「ヤバさ」もあるわけですがね。

私は「アッタカヴァッガ」で、それを垣間見ました。



就職活動であったり、何らかの大きな環境の変化を伴う場合、しばしば「自己分析が大切だ」と言われます。

その「自己分析」をする際に、「私という自己は、こうあるべきだ。」と、自己分析して導き出した自己の在り方に執着するという事も御座います。

その執着を避けて、柔軟さを失わずにいる智慧の一つが、維摩経であり、「脱構造化と再構築によって、上手に揺らぎ続ける智慧」を頂く事が、維摩経を現代で学ぶ意味であろうかと、私は解釈致しました。



自身の固定観念や先入観に、まずは気づき、そこから脱構造して再構築する、それを上手に繰り返していく。



その智慧が、維摩経にあると、釈徹宗さんの「100分de名著:維摩経」によって維摩経を再び学び、改めてこのように観じた次第で御座います。



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100分de名著のテキスト「維摩経」と併せて読むと宜しい本

今回は、「100分de名著:維摩経」の予習と読書感想文、そして現代でこの名著を読み、学ぶ意味を、共に致しました。



最後に、「100分de名著:維摩経」のテキストと共に読む事で、より理解が深まるであろう本を紹介致します。



まず、なんと言っても外せないのが、同じ著者である釈徹宗さんの「なりきる、すてる、ととのえる」です。



「100分de名著:維摩経」のテキストを予習するにあたり、私は「なりきる、すてる、ととのえる」を再読致しました。

その結果、やはりこの本は外せない、と改めて思うた次第に御座います。



本の内容は、「100分de名著:維摩経」のテキストと、類似しております。

主な解説箇所については、殆ど同じと行って良いでしょう。

あらすじの解説などは、二冊ともかなり類似性があり、「なりきる、すてる、ととのえる」の方が、より内容に踏み込んでいる、という印象です。



もう一冊、共に読んでおきたいと思う本は、「お世話され上手」です。



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これも釈徹宗さんの本であり、最初の方で「仏教のヤバさ」について、語られています。

仏教を学ぶ、仏教の名著に触れる際には、どなたもこの「お世話され上手」や「だから仏教は面白い!」で解説されている、仏教のヤバさについて触れておいた方が宜しいかと存じます。



また、「お世話され上手」という本の題名は、「100分de名著:維摩経」のテキストでも登場します。

「100分de名著:維摩経」のテキストを最後まで読む際、「お世話され上手ってどういうことだろう?」という問いもありましょう。

「お世話上手、お世話され上手」は、釈徹宗さんの提言ではありますが、その提言を、より深く知る事が出来るのが、まさに「お世話され上手」という題名の本です。

この本には、「なぜ、この土地では油揚げの消費量が多いのか?」など、読み物としても面白い箇所がありますよ。



その他、釈徹宗さんの関連本については、こちらでも紹介しておりますが、「100分de名著:維摩経」のテキストと共に、特に読んでおきたい本は、上の二冊です。



参照記事:「世界の宗教を学べる本2選と学ぶなら読んでおくべき1冊|私が選ぶ入門の書」



今回の話を読んで頂き、「100分de名著」のテキストと共に本放送か再放送を視聴して頂く事で、仏法に触れて頂ける仏縁となりましたら、在家仏教者としても嬉しゅう御座います。



合掌、礼拝

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