nihhi(にっひ)さんの「消しゴムはんこの仏さま」読書感想文|京都の仏像観光案内も兼ねて

御参拝、誠に有難う御座います。住職(管理人)の修羅観音です。



Twitterで宣言していたことでありますが、nihhi(にっひ)さんという方の本「消しゴムはんこの仏さま」を購入し、読了致しました。


この本が出版されるという情報を、小出遥子さんのTwitterにて頂いてから、楽しみにしておりましてね。

ただ、本屋で手にとって購入したかったのですが、発売日に本屋に並んでおらず、楽天ポイントが貯まっていたこともあり、私は楽天ブックスで購入した次第で御座います。



そうして手元に届いた、nihhi(にっひ)さんの「消しゴムはんこの仏さま」



私、仏教を学び実践していながら、実は仏像については全くと言って良い程、知らない世界でありまして。

そこで、この御縁をきっかけとして、一度仏像関連の本を読んでみようと思い立ちました。

仏像について、仏教に馴染みが無い人にとっては難解に思われるような仏教要語・仏教用語を多用せず、日常の語り口調で易しく仏像はんこの世界へ誘って下さる、この本。



今回は、nihhi(にっひ)さんの「消しゴムはんこの仏さま」について、読書感想文という事で記します。



また、最後に本書でも京都の寺院の名前が挙がる事から、京都の仏像観光も、地元民の私めが申し上げます。

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nihhi(にっひ)さんの「消しゴムはんこの仏さま」:大まかな内容紹介

ポストに届く日を楽しみにしておりました、nihhi(にっひ)さんの「消しゴムはんこの仏さま」について。



前半は、仏像とはなんぞや、という事から始まり、続いて、可愛らしいnihhi(にっひ)さんの仏像はんこ絵と共に、各々の仏像について紹介されていきます。

私は、天の部、帝釈天や阿修羅像、吉祥天や毘沙門天の辺りで、昔読んだCLAMPさんの「聖伝(リグ・ヴェーダ)」という漫画を思い出しました。

もしかしたら、本書を読んで「あ、これ、聖伝で出て来たキャラクターの名前だ。」と、ピンと来た人もいらっしゃるやもしれません。

ピンときたら、ある程度年齢が割れる、という話は、おいておきまして。



日本には、コンビニエンスストアよりも神社仏閣が御座いまして、仏像を眺めたり拝む機会は、結構ありそうなものです。

その一方で、意外と仏像についてであったり、自分の家の宗教から、仏壇におわします仏様について、知らなかったりするものであります。

この本のお陰様で、「身近であるがゆえに、問う事すらしなかった」という自身に、改めて気づかせて頂く、というお味わいも頂いた次第で御座います。



今、仏壇の話をしましたが、関連する事柄が、「消しゴムはんこの仏さま」にも御座います。

それは、「仏さまのチーム」(68ページ)にありまして、はんこ絵を楽しみながら学ぶ事が出来ます。

最近では仏壇のある家が減ってきているという話はありますけれども、あなたのご自宅に仏壇がある場合、この本の内容と照らし合わせると、「あ、これだ。」となることもありましょう。



ちなみに、うちの仏壇にいらっしゃるのは、立っていらっしゃる阿弥陀仏の絵像です。

左右に、法然上人と善導大師がいらっしゃる形であり、浄土宗の仏壇でよくみられる型ですね。

「消しゴムはんこの仏さま」にある、阿弥陀仏チームは、真ん中が阿弥陀仏、左右に勢至菩薩と観音菩薩がおわします型が紹介されています。



このように、nihhi(にっひ)さんの「消しゴムはんこの仏さま」では、眼で楽しみながら、仏像の知識を味わう音が出来る本に仕上がっております。

コラムにて「縁起」について学ぶ

私個別としては、途中に何度かあるコラムが、非常に有り難き御縁であるなあ、と、思うたもので御座います。

詳しくは、知的財産権の事がありますから詳細を語り尽くすことは出来かねますが。



特に、仏さまコラム4「本地仏」と、「おわりに」は、縁起について学べる、非常に有り難き御教えを頂けた、というお味わいを頂いておる次第で御座います。



この本を読んで、上述したコラムと「おわりに」と、阿弥陀如来の項目を読んで、nihhi(にっち)さんと同じ事を考えていた私であるなあ、と、親近感を覚えたものであります。



nihhi(にっひ)さんの「消しゴムはんこの仏さま」について、読書感想文を交えた基本的な内容紹介は、このようなところです。

「消しゴムはんこの仏さま」で注目した仏さま・私が好きな仏さま

nihhi(にっひ)さんの「消しゴムはんこの仏さま」を読んで、改めて、私が好きだと感じている仏さまについて、顧みる事が出来ました。

「仏に好き嫌いとか、分別だ!仏教は無分別智ではないのか、実に怪しからん!」と、人によっては私にお叱りをぶつけられるかも知れませんが。

分別無分別は云々についての議論は、ここでは脇へ置いておきまして。

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地蔵菩薩:お地蔵さんが好きな私

本書で、特に私が「ああ、いいなあ、有り難いなあ。」と、自然と頭が垂れる仏様は、「地蔵菩薩」です。

お地蔵さんです。



実は私、子供の頃からお地蔵さんが好きでして、仏教と再会してからは、特にそれが顕著になっておる事を自覚しております。

街でお地蔵さんを見かけたら、自然に合掌・礼拝するようになっておりましてね。



また、子供の頃は、こんな事もありました。



小学生高学年の頃、ファイナルファンタジー5(これで年齢がある程度割れますな)が大流行しておりまして。

そして、そのような時節に図画工作の授業で、時計を作る課題があったのです。

クラスの少年達は、みんなこぞって、すっぴんのバッツ(FF5の主人公の固有名詞)や、好きなジョブ(ナイトとか)のバッツを時計に描いておったものです。



そんな中、私は一人、せっせと灰色のお地蔵さんを描いた時計を作っておりました。

学年全員の作品が展示される時期があったのですが、周囲とは絵柄が全く異なり、明らかに浮いていた事を、今でも覚えております。



その他にも、扉を開けたら別の世界が見えると言う絵を描く課題では、扉を開けたらお地蔵さんや、阿修羅らしき絵を描いたりと、まあ、仏教的な感性の素地を感じる少年でありましてね。



ちなみに、私の少年時代には「Sa.Gaシリーズ」も流行っておりまして、Sa.gaには阿修羅が的役として登場します。

阿修羅をチェーンソーでぶった切るとか、今考えたら、ゲームの中だけの話とはいえ、仏罰ものな事をやらかしておったのかなあ、と思う今日この頃。



その時節から、どうやら今に至るまで、お地蔵さんを好む性質は続いておりまして、nihhi(にっひ)さんの「消しゴムはんこの仏さま」の地蔵菩薩絵で「ああ、ええなあ。とか言うている私で御座います。

宝蔵菩薩と阿弥陀如来

地蔵菩薩、お地蔵さんの他に、私が好む仏様と言えば、「阿弥陀如来」です。

これはうちのご本尊でもあるという御縁補整もあるにはありますし、念仏者属性を帯びている事にも由来しましょう。

nihhi(にっひ)さんの「消しゴムはんこの仏さま」で紹介される阿弥陀如来ですが、この本にある解説で、「ああ、私と同じ事を考えていらっしゃるようだ。」と、思うた次第で御座います。



詳しくは、本を読んで頂くと致しまして、私が体験した、「ああ、ゆえに阿弥陀如来は有り難し」という事をお話し致しましょう。



私は、以前に奈良国立博物館で開催された「源信:地獄・極楽への扉」と、仏像館に赴いた、という話をしております。



参照記事:「奈良国立博物館「源信:地獄・極楽への扉」となら仏像館の感想文|待ち時間なく混雑も無かった平日の観覧」



奈良博物館の地獄極楽展にて、極楽コーナーに赴いた時の話です。

極楽コーナーには、阿弥陀如来宝蔵菩薩のお姿が御座いましてね。



宝蔵菩薩という菩薩様は、阿弥陀如来になる前のお姿でありまして、宝蔵菩薩が五劫思惟だとか、それくらい長い間修行なさって、阿弥陀如来になられた、という話です。

RPG風にわかりやすくいうと、「宝蔵菩薩→阿弥陀如来」と、上位職にジョブチェンジと言いますか、クラスチェンジしたというと、伝わりますかね。(厳密には違うかも知れませんが。)

モンク→スーパーモンク的な、あれです。



そして、私は奈良国立博物館で、宝蔵菩薩と阿弥陀如来を前にした時、以前から考えていたことを、改めて考える事になりまして。



「阿弥陀如来は、宝蔵菩薩時代に四十八の願を立てて、成就するまで仏にならんぞ、如来にならんぞ、と仰っていた。」

「そして、宝蔵菩薩は阿弥陀如来となられている。」

「阿弥陀如来になられたという事は、願が成就したということである。」

「その願とは、衆生を全て救えなければ仏にならんぞ、という内容であったなあ。」

「では、もう阿弥陀如来になったという事は、救われぬ者は、もはやおらぬ、という事ではあるまいか。」



この事から、阿弥陀如来がおわしますという事、これすなわち「救い決定」という事であり、nihhi(にっひ)さんが仰る通り「既に誰もが救われている」という事であると、改めて考えたもので御座います。



このことを考える度に、私は「なんとも有り難いことであるか、有り難や、有り難や、南無阿弥陀仏」と、合掌して南無阿弥陀仏をお唱え申し上げる次第で御座います。

nihhi(にっひ)さんの「消しゴムはんこの仏さま」を読んで、改めて、奈良国立博物館で考えた事を思い出したものであります。



合掌、南無阿弥陀仏、礼拝。

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京都の仏像観光・仏像巡りのご案内

ここまで、nihhi(にっひ)さんの「消しゴムはんこの仏さま」を紹介してきました。



最後に、「消しゴムはんこの仏さま」で何度か三十三間堂の名前が出て来ていることもありまして、京都に住まう私から、京都の仏像観光・仏像巡りの一助となる話をして、締めくくると致します。

京都には、各宗派の本山も沢山ありまして、仏像巡りがしやすい土地柄ですからね。



三十三間堂の話をしましたから、まずはそこからですな。



「三十三間堂」は天台宗のお寺さんで、弓道をやっている人ならば、「ああ、あのお寺か」と、ピンとくるかと存じます。

三十三間堂の仏像と言えば、「千手観音坐像」と「千体観音立像」です。

また、風神雷神の像をはじめとした、「消しゴムはんこの仏さま」では「天」の像の項目で紹介されている像も、三十三間堂におわします。



「消しゴムはんこの仏さま」で予習してからいくもよし、実物を観てから復習するもよし。







上で地図を示しましたが、三十三間堂に行ったのであれば、そのまま京都国立博物館へ、というコースが、京都の仏像観光・仏像巡りの順路としては鉄板と言えましょう。

京都国立博物館は、道路を挟んで三十三間堂の北にあります。



私も何度か京都国立博物館へ赴いた事がありますが、ここの名品ギャラリーにて仏像を観る事が出来ます。

詳しくは、京都国立博物館のウェブサイトにて「展示ギャラリー」を確認して頂ければ、展示中の仏像を確認することが出来ます。

私は、京都国立博物館の展示ギャラリーにて、阿弥陀如来や大日如来と出会わせて頂く度に、合掌礼拝してまわっておりました。



その他、「消しゴムはんこの仏さま」と関連する、京都で紹介できる仏像観光・仏像巡りの地としては、「永観堂禅林寺」があります。







三十三間堂と京都国立博物館は、結構距離はありますが、バスか電車を使えば、さほど苦にはならんかと存じます。

西へ行けば平安神宮、京都市美術館がある岡崎公園が御座います。



永観堂と言えば、「禅林寺阿弥陀如来立像(見返り阿弥陀)」です。

「消しゴムはんこの仏さま」では、「見返り阿弥陀如来」と紹介されています。



ちなみに私は、永観堂と見返り阿弥陀如らについては、ミッドナイト念仏にて、開門までの並び時間で、浄土宗僧侶から永観堂と見返り阿弥陀如来について教えて頂きました。



体力に余裕があるならば、永観堂から歩いて南下し、知恩院へ赴いて、阿弥陀堂で阿弥陀如来の前でお念仏を称えるのも、乙な仏像巡り京都観光となりましょう。



以上、京都からお伝え致しました。



合掌、礼拝

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